SATOMI
MORISAKI
UTハートフル株式会社
UTは、
私が私のままでいいんだな、
と思わせてくれる会社です。
UTグループ 「はたらく」の専門WEBマガジン「生のままでいい。」。自分自身のモノサシで自分らしくはたらく人たちの、背伸びしないありのままの姿をご紹介しています。
ここでご紹介するのは、UTハートフル株式会社に在籍し、現在はUTグループ株式会社新卒ユニットの業務に就かれている森崎里美さん。1974年に兵庫県たつの市で、ハンディキャップを背負って生まれた森崎さんは、UTに在籍してからすでに今年で5年目。ハンディキャップを持つ方々が多く在籍するUTハートフル株式会社でさまざまな業務をしてきましたが、2021年7月から本社として機能するUTグループ株式会社で、新卒採用時の面接の際の書記を基本的に在宅勤務で担当しています。
「私はできないことだらけ」ということを痛いくらいに自覚していることもあって、とにかく「できないことを減らそう」という姿勢を森崎さんは貫きます。結婚後は2人の娘を出産し「映えあるバツがつきまして(笑)」ということで、ひとりで娘たちを社会へと送り出し、自動車の運転免許を取得して移動は常に自分の車で、娘たちに経験をさせたいからという理由でスキューバダイビングも…という具合。趣味は定期的にリニューアルするネイル、好きな場所は海、ネオンのように明るいパープルの電動車椅子で自由に闊歩する森崎さんにお話を聞いてみました。
実は森崎さん、多くの人に知ってほしいことがあるそうです。森崎さんが皆さんに知らせたいこととは、いったいどんなことなのでしょうか?森崎さんの「生のまま」を聞いてみましょう。
私ね、海がすごく好きなんです。暇さえあったら海に行く人なんです。自分で車を運転して。日本海も太平洋も行ったし、沖縄にも行きました。住んでいるのが兵庫県なので、車で40分ほど離れた瀬戸内海の海には、本当にしょっちゅう訪れています。
海が好きな一番の理由は、リラックスできるから。当たり前ですけど海は大きい。そんな海を目の前にすると、私が悩んでいることって小っぽけだなぁと。些細なことで悩んでるんだなぁ…と思えるんです。
自分を整えるためにしていることは、毎朝メイクをすること。私ね、面倒でメイクしてなかったんですよ。でも新卒採用で学生さんに対応する仕事をするようになって、自分を律する上でメイクは必要だと。背筋を伸ばすためにもメイクは大切ですねえ。
私、ハンディキャップがあるじゃないですか。できないことだらけです。誰かのサポートが絶対に必要だし、ヘルパーさんが付いていてくださらないとできないことがたくさんあるんです。でもね、頭を使うことはできるし、アイデアも出すことができる。健常者の方が気づけないことに気づくことができる。たぶん視点が違うからなんだと思います。
今までずっと自分にしかできないことはきっとある、と信じてきたんです。その思いが強くなって、それまで勤めていた会社を辞めて兵庫県立障害者高等技術専門学院に入学しました。当時は娘たちもまだ社会人ではなかったので、学校に通いながら就職活動もしました。就職が決まったら退校になるので、とにかく就職活動に励みました。入学して4ヶ月ぐらいたった頃、UTの求人をみつけたんです。
入社したのはUTハートフル株式会社。ハンディキャップを抱えている方々のためにはたらく機会を提供している会社です。それまでは健常者ばかりの環境で仕事をしてきたので、私と同じハンディキャップを持つ人たちと仕事で関わるというのは、逆に接し方がわからなかったりして戸惑ったこともありましたが、短期間で変わるさまざまな仕事を経験することができました。
当時大変だったのはマニュアルでした。ハンディキャップを持っている私たちにとって、マニュアルが時として仕事をやりにくくしていることもあります。真面目な人ほどマニュアルがすべてになってしまう。そのとおりにしなければならないと思ってしまうんです。レアなケースやイレギュラーなケースも出てくるじゃないですか。マニュアルがすべてになってしまうと、かえってそれがトラブルのもとになってしまうこともあるんですよね。
本来、私はストイックな性格なんです。追い込まれるほうが合っているんです。あれもこれも…という感じで仕事が降ってくる状況が性に合っている…という感じかな。できることならなんでもさせていただきますよ!というスタンスなので。
できると思う人は手を挙げたほうがいい。UTはそれができる会社だし、チャンスがあれば手を挙げていい。健常者の方だけかと思っていましたが、ハンディキャップのある私みたいな人にも同じようにチャンスが開かれているんです。
今は新卒募集に応募してくださる学生さんのリモート面接の書記をしています。基本的に在宅勤務なので、みんなと一緒に仕事をしている一体感が得られにくい点が残念ではあります。チームワークは私にとってすごく大事なことで、自分だけが働いているわけではないし、皆と一緒にやっていることをもっと意識したいんです。
私はそんなにたいして役に立たないんですよ。でも会社が私でも役に立つ仕事を設けてくれる。私らしく仕事できるので、無理をしなくていい。これには本当に感謝しています。
私のようなハンディキャップのある人でも働けるし、活躍できる場所があることをもっと多くの人に知ってほしいです。必ず求められている職場がある。私が私のままでいいんだな、と思える。これは長年の願いでもありました。
私ね、障害はマイナスではないと思っています。「害」という文字が入るからマイナスなイメージがありますが、マイナス的なイメージは払拭したいですね。これももうひとつの願いです。
私はUTの社内で、ハンディキャップを持つ人と、健常者の方々との橋渡し役になりたいのかもしれません。私がUTに入った理由って、そこにあるのかなぁと最近思うんです。
UTハートフル株式会社
森崎 里美
UTハートフル株式会社。1974年、兵庫県生まれ。ハンディキャップを抱えながら地元の鶏卵業者で事務補助の仕事をこなし、女手ひとつで二人の娘を育て上げる。兵庫県立障害者高等技術専門学院を経て、2016年にUTハートフル株式会社へ入社。2021年7月より新卒採用時面接の書記として活躍中。好きな場所は海(眺める)。趣味はネイルアート(してもらう)。